段ボールマエストロ
OTA Takashi
太田の作品は車のエンジンルーム、家屋の屋根裏の構造までもが、段ボールとセロハンテープで再現されている。太田は、小さな頃から、身の回りのものや生活に関わるものの「中身がどうなっているのか」ということに興味があったという。特に車両には関心が強く、緊急車両や、電波中継車両などの特殊車両が多いのは、やはり構造の面白さをより持っているものを選択した結果である。また型式の古い車両も多く、「より車らしいくるまを作りたかった」と話す。洗練され、自動化された最近の車には魅力を感じないそうだ。
太田の作品は、単に古いものを懐かしむことにとどまらない、彼の愛するものの構造の裏側にある、人の手の感触や、温度を感じさせる。
空箱、ダンボール、ボトルキャップ、ストロー等、身近な物から使える物を選びひとつの作品を作りあげます。
特に車は大好きで昔の車、1940年から1980年代の古い車が好きだそうです。古い車が好きな理由は『昔の車の方が味がある』『本当の車らしいから好き』『かっこよくてあこがれる』と話してくれました。働く車も好きで設計図は頭の中だけに存在しています。一枚のダンボールが立体的な車に製作されていく工程は本当に神業です。